越前焼/片口壷

時代[鎌倉・室町]
資料解説15世紀後半に生産された越前焼の片口壺です。
越前焼の特徴である赤褐色の地肌の上に、淡緑色から白色まで多彩な変化を見せる自然釉がたっぷりとかかっており、地肌と自然釉のコントラストが美しい作品です。
自然釉は陶工が人為的に掛けたものではなく、窯焚きに用いた薪の灰が壺や甕に降りかかり、高温で粘土と反応してガラス状に変化したものです。
自然釉は焼成中の温度や酸素濃度、灰と粘土の成分により色彩や様子が変化するため、同じ釉調のものはふたつとなく、古越前の見どころのひとつとなっています。
室町時代の越前焼の特徴である丸みを帯びた肩には、窯印が2つ刻まれています。これらは直角文に分類され、古越前でしばしば見られる窯印です。

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