越前焼 甕
時代 | [江戸] |
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資料解説 | 江戸時代に現在の丹生郡越前町平等で作られた甕です。 甕は壺・鉢(すり鉢)とともに中世窯の基本三種と呼ばれ、越前窯でも主力製品でした。本資料には取り扱いを容易にするための取っ手がついていますが、これは中世までの甕には見られないもので、陶工の工夫がうかがえます。また、表面には赤土を水に溶かしたものを塗って焼成することで表面がコーティングされ、水漏れを防いでいます。 底部に「丹生郡 たいら仁右衛門」の刻銘があり、近世の平等で活動した「仁右衛門」なる陶工(陶家)によるものだとわかります。仁右衛門は明暦4年(1658)には平等村百姓として名が現れており、平等村で越前焼を生産していた「瓶屋連中」の一員でした。仁右衛門の銘が入った大甕が兵庫県豊岡市で発見されており、有力な陶工だったと思われます。 |