郊外(初秋)

作者正宗得三郎
ArtistMASAMUNE Tokusaburo
TitleCountryside (Early Autumn)
制作時期大正6年(1917)
技法・材質キャンバス、油彩
サイズ44.8cm×52.4cm
取得方法購入
取得年度平成10年度
所蔵品目録番号0190
作品解説明治16年(1883)岡山県備前市穂浪に生まれ、兄には正宗白鳥がいた。
 明治35年に東京美術学校に入学し、同窓の青木繁から感化を受けた。明治43年第4回文展に《夕日の反映》を出品。大正3年(1914)から5年までフランスに留学。滞欧地においてマティスと親交を持ったが、世界大戦により留学がやむなく中断された。大正時代、岸田劉生の影響を受けた画家は多く、本図《郊外(初秋)》もまた細かな筆致で独特の空間を作っている。一度目の留学から帰った5年後、再びヨーロッパを3年間訪問。鮮やかな色彩が画面をおおい、のびやかな画風が確立する。
 大正13年に帰国した正宗は、この頃から、日本の風景を印象派風あるいは南画風に捉えはじめる。富岡鉄斎の影響も強く、印象派を基調とした日本の油彩画確立への模索が顕著となってくる。信州伊那谷で制作した《三穂村雪景》(当館所蔵)も、日本の湿潤な雪景を印象派風の明るい色彩を随所に散りばめている。
 昭和24年(1949)から府中市本宿に居住し、付近の風景を多く作品にのこした。
(志賀秀孝「作品解説」『府中市美術館所蔵作品50選』2000年、府中市美術館)

PageTop