日本語の文字
| 作者 | 高松次郎 |
|---|---|
| Artist | TAKAMATSU Jiro |
| Title | Japanese Letters |
| 制作時期 | 昭和45年(1970) |
| 技法・材質 | 紙、オフセットリトグラフ |
| サイズ | 72.8cm×51.4cm |
| 署名等 | 画面左下:98/100 画面右下:JIRO TAKAMATSU 1970 |
| 取得方法 | 購入 |
| 取得年度 | 平成10年度 |
| 所蔵品目録番号 | 0857 |
| 作品解説 | 文字と実在するものと、頭に浮かぶイメージの三者は、必ずしも一致しない。例えば、「本」という文字は目の前に本が存在しなくても本を指し示す。だが、文字は意味を伝える記号にすぎず、本が現実にそこにあることを保証するわけではない。 本作では、この不確かな三者の関係性が取り上げられている。「この七つの文字」は七つの文字で構成され、記号としての文字と紙に刷られた物理的な存在(絵の具)、そして指示された意味の三者が一致している。記号であるはずの文字が、実在性を持ち始める時、見る者は壮大な思索の迷路に吸い込まれていく。 概念性を強調するために造形要素は最少限に切り詰めてあり、その表情には飾り気がない。欧米における概念芸術との関連も指摘できよう。 高松は東京生まれで三鷹市に長く住み、平成10年(1998)に死去した。昭和33年(1958)に東京芸術大学油画科を卒業後、読売アンデパンダン展に出品、ハイレッドセンターの一員として前衛的な活動を行った。その後、人や物の影のみをキャンバスに定着させた絵画や、木材を組みあわせた彫刻などを発表した。作品は表現、素材ともに多岐にわたっており、全体像を捉えることは難しい。いずれも時代そして美術の流れに作家が敏感に反応して生まれている。 第6回ドクメンタ(1977年)をはじめ、国際展への参加も多い。本作は、昭和45年の第7回東京国際版画ビエンナーレ展に出品された。 (神山亮子「作品解説」『府中市美術館所蔵作品50選』2000年、府中市美術館) |
