白鷹図

作者相沢五流
ArtistAIZAWA Goryu
TitleWhite Hawk
制作時期文化2年(1805)
技法・材質紙本墨画淡彩 一幅
サイズ99.6cm×28.5cm
署名等画面下:法眼五流行年六十歳筆 (朱文円印)関良岡印
取得方法小林正夫氏寄贈
取得年度平成11年度
所蔵品目録番号0001
作品解説江戸時代の府中は、甲州街道の宿駅として、また六所宮の参詣者などでにぎわった。明和年間(1764-72)前後に活動した、六所宮の社家出身の関良雪(1703-76)が、今知られる最初期のこの地出身の画人である。もっとも、近郊を含め、この地域の多くは農村であり、そこで画人の活動がみられるようになるのは、やや遅れる。
 相沢五流は、延享3年(1746)に多摩郡関戸村(現在の多摩市)の村役人の家に生まれた。寛政7年(1795)に、家督を長男伴主に譲り本格的な画業に入ったと考えられている。前述の関良雪に師事し、また江戸へ出て狩野派の加藤文麗にも学んだといわれる。
 作品は、現在の多摩市域のほか八王子市、青梅市など、多摩地城に50点ほどが確認されている(『相沢五流』多摩市史叢書13 多摩市史編集委員会 平成10年)。弟子を率いて寺院の天井画や襖絵の仕事をこなすなど、地域の需要に応えた。いずれも、狩野派の画風を堅実に継承するもので、本図もその一例である。鷹の口にわずかに点じられた赤も効果的で、柔らかい印象がある。
 五流の長男伴主もまた、この地域における華道の先駆であった。江戸後期の農村生活の変容、文化活動の担い手の広がりという大きな変化のなかで、この地域での創作活動も高まっていったのである。
(金子信久「作品解説」『府中市美術館所蔵作品50選』2000年、府中市美術館)

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