萌黄地鯉に水草模様繍の掛袱紗

綴錦地草花孔雀模様ほかの袱紗/萌黄地鯉に水草模様繍ほかの掛袱紗

大分類美術工芸資料等
中分類工芸(近世以前)
公開解説袱紗 萌黄繻子地鯉模様
越前松平家伝来 
江戸時代 一九世紀
福井市春嶽公記念文庫(当館蔵)
掛袱紗は、進物や器物の上に掛けて覆いとして用いられた。内の物を清浄に保つという意味がある。
鯉に流水の模様は中国の故事「登龍門」を表しており、家の繁栄を願うものである。
鯉の鱗の一枚一枚にいたるまでの繊細な刺繍が見どころである。江戸時代後期には、刺繍の技術が発達し、極めて技巧的なものが見られるようになるが、その技術が発揮された場の一つが、このような袱紗であった。

袱紗 紅縮緬地葵紋唐草模様
葵紋と唐草の模様は、越前松平家ならではの模様である。

袱紗 紅縮緬地桃唐団扇模様
桃と唐団扇の組み合わせは、中国の崑崙山に住む仙女西王母が漢の武帝に不老の桃を授けたという故事を表した吉祥模様。
本作品と地色、模様の配置、刺繍の色糸も一致する作品が、東京国立博物館に所蔵されている。
武家女性の婚礼に際しては、婚礼調度として同じ仕様の袱紗が大量に作られる。この袱紗もそのようにして作られたかと考えられる。

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