指定有形文化財(書跡) 歌切 伝近衛信尹筆
歌切 伝近衛信尹筆
| 資料番号 | 05-TSM-県書18 |
|---|---|
| 資料名(ヨミ) | ウタキレ デン コノエノブタダ ヒツ |
| 解説 | 近衛信尹の書跡である。内容は源氏物語、宇治十帖の中の総角の一節。 「にはとりもいつがたにあらん ほのかにをとなうに京思ひいてらる山さとのあはれしらるる声々にとりあつめたる朝ほらけかな 女君 とりの音もきこえぬ山と おもひしを世のうきことは たつねきにけり」 と読める。 信尹は近衛家17代目で関白太政大臣。准三后という高官を極めた公卿。この人の元服に冠を加えたのが織田信長であったといわれる。父龍山の薫陶を受けて和歌や書画に秀で、とくに書は青蓮院流に習熟し、宋の張即之の風を学び、従来の和様に新風を開いた。後世これを三藐院流と称し、本阿弥光悦、松華堂昭乗とともに寛永の三筆と称されている。 もと多賀谷家の所蔵品であったが、仲太光保が慶応四年(1868)戊辰戦争の際家老を命ぜられ、明治維新以来幼君の補佐役となり、その功によって太刀及びこの歌切一軸を拝領したと伝承されている。当地方にあっては貴重な文化財というべきであろう。 |
| 参考文献 | 『能代市の文化財 第三集』(1990.3 能代市教育委員会) |
| 大分類 | 美術工芸 |
| 中分類 | 書跡・典籍 |
| 寸法 | 幅300×長さ285 |
| 資料形態 | 軸装・紙本墨書絹装 |
