自転車競技・トラック 競技説明

競技名称自転車競技・トラック
資料解説すり鉢状になった競技場で実施される自転車競技・トラックは、1896年第1回オリンピック大会から実施され続けてきた自転車競技種目。2020年東京大会では短距離種目であるチームスプリント・スプリント・ケイリン、長距離種目であるチームパシュート・オムニアム・マディソンの男女6種目計12種目が採用された。女子のトラック種目は1988年ソウル大会から採用された。1996年アトランタ大会からはプロ選手の出場が認められ、2000年シドニー大会以降は日本発祥のケイリンが種目として採用された。
チームスプリントは男子が1チーム3人、女子が1チーム2人で行う。1周ごとに、それまで先頭を走って風よけとなっていた選手がコースから外れ、最後の選手がフィニッシュラインに達したタイムが記録となる。チームの力が問われる種目。スプリントは、個人で着順を競う。力を最大限に発揮するために、レース中は風圧を受ける先頭を避けようと、さまざまな駆け引きが行われる。前に出たくない選手がサドルから立ち上がり、バンクの傾斜を使ってその場でピタッと止まるテクニックは会場を沸かせる。ラスト1周は爆発的なスピードで先頭争いが繰り広げられ、一気に勝負がつく。ケイリンは7人までの選手によってトラック6周で競われる。レース途中までは先頭誘導車が選手たちへの風よけをしながら段階的に速度を上げ、選手たちはその後ろでポジション争いを繰り広げる。先頭誘導車が速度を時速50kmまで上げ、残り3周で離れると、レースは一気にヒートアップし、そこからの激しい流れが見どころとなる。2kmの距離で競われるチームパーシュートは、2人1組の2チームが対面でスタートし、相手を追い抜くか、またはタイムで勝ることで勝者となる。
オムニアムは、トラックレースの複合種目。1日に4つのレースを行い、各レースの合計得点で順位を競う。4レースは、多数の選手が一斉にスタートして順位を争うスクラッチ、周回ごとに先頭の選手にポイントが入るテンポレース(オリンピックでは東京2020大会で初の実施)、2周回ごとに最下位の選手が脱落するエリミネーション、中間ポイントを獲得しながら30km前後を走破し、ポイントを競うポイントレースとなっている。 新種目のマディソンは、2人1組のペアで、レース中に選手が交代しながら男子は50km、女子は30kmを走って競う。選手交代は待機している選手と行うが、その際、選手の体に触れなくてはいけない。高速走行中の選手が交代時に、待機中だった選手を加速するために手を引いて放つ「ハンドスリング」が見どころ。ハンドスリングではなく、腰を押しても良い。

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