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こだま(あるいは「街路の神秘」)

作家名ポール・デルヴォー Paul DELVAUX
制作年1943年
技法、素材油彩、画布
寸法105.0×128.0
分野絵画(海外)
所蔵作品登録番号FO198800002000
解説1943年に詩人ポール・エリュアールの依頼で制作した作品で、別題に《街路の神秘》とある。月夜に円柱が連なるギリシア神殿風の石造りの建物が建ち並び、画面右下から画面中央左奧へと石畳の道が延びている。続く遠方には山が望まれる。道に並行した石壁も、月明かりに冷たく光り、石壁に沿った道は舗装が未完のまま、小石が転がっている。建物や人物の影の描写にデ・キリコの影響が認められる。虚ろな表情で同じポーズをした三人の全裸の女性は、道なりに歩みを進め、通り過ぎて行こうとしている。光の中に浮かび上がり、こだまの妖精に化身した女性たちは、左手を挙げ、耳を澄まして記憶をたどっているかのようである。それぞれの女性の大きさは、周囲の建物の大きさや距離には正確に比例しておらず、空間は歪められている。静謐な雰囲気だが、こだまが石に反響し、また光も建物の合間に増幅する神秘的な世界が展開されている。

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