FP198900010001_000000_001, 0000/00/00撮影, Public Domain

題扉 『白と黒の四つの物語』

作家名フランティシェク・クプカ František KUPKA
制作年1926年
技法、素材木版、紙
寸法20.3×15.5/33.3×25.1
分野版画(海外)
所蔵作品登録番号FP198900010001
解説1926年11月に限定300部が刊行された木版画集《白と黒の四つの物語》は、タイトルページと声明文を含め、全26葉の木版画からなる。クプカはその声明文の中で、抽象的な形態の持つ重要性と独立性を次のように説明している。「見てのとおり、これらの物語は、絵や版画でおなじみの人物像の間、木々の間や空の下では展開しない。これらはもうひとつの現実の形象であり、伝統的な自然の模倣や解釈に代わるものである。……美術作品は、それ自体が”抽象的な現実”であり、考案された要素からなる存在たらんと欲する。その具体的意味は、形態上のタイプの組み合わせと、形態の有機的性質に固有の建築的配置から生まれる」。この声明文に続く四つの物語は、ロウェルの分類に従えば、(1)有機的/装飾的、(2)鋭角的、(3)波状/宇宙的、(4)垂直と斜めの面、の四つの主題(物語)のもとに展開する(Exh. cat. New York, 1975, p. 165)。それぞれの物語は、クプカがそれまで用いてきた形態の集成ではない。たとえば、第1の物語に属する作品はオリジナルなもので、対応する油彩画がない。他の三つの物語は、1925年頃のモティーフを新たに探究したものである。1920年代半ばにクプカが関心を寄せていたモティーフを扱ったこの木版画集は、彼の制作の中で重要な位置を占めている。愛知県美術館が所蔵する木版画集は201番目のエディションで、1~100のエディションとはタイトルページと声明文に多少の異動がある。[『クプカ展』(1994年)カタログ、133頁]

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