結晶釉壺

所蔵資料登録番号A006123
作品・資料名結晶釉壺
制作時代・年代1889-1918年頃
窯・作者サルグミンヌ製陶所 Surreguminne pottery fectory
制作/生産地(現在の地名)ドイツ / フランス
資料点数1点
寸法高18.2 口径10.5 底径8.7
寄贈者石田文子氏寄贈
作品解説 本作品はフランスの民間陶器メーカー・サルグミンヌ(1790~)で19世紀末から20世紀初頭にかけて製作された結晶釉の飾り壺「エトナ」シリーズのひとつである。普仏戦争(1870~1871)によってサルグミンヌの地がフランス領からドイツ領となった一時期のみ、本作品にみる「MADE IN GERMANY」印を使用していた。
グレーがかった肌理細かい胎土を用いて型成形したボディはよく焼き締まって重たい。釉は金属光沢の緑釉にプリズムのような銀灰色の結晶が全面に浮き出ており、高い装飾効果を生んでいる。底部にメーカー印および「MADE IN GERMANY」「ETNA」印、「SARREGUEMINES」「1964」「G」「227」の刻印がある。
 寄付者の祖父は近江の陶器商・辻惣兵衞商店の第一番頭で、瀬戸に住んでいた頃の大正10(1921)年に窯元の加藤春光氏より貸金の返済分として本作品を受け取った。当時貴重な舶来の壺として爾来寄付者の家で大切に保管されてきたものである。製作直後に日本に持ち込まれたことが明らかであり、近代日本、近代の瀬戸・名古屋が目にした外国陶磁の貴重な一例と位置づけることができる。

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