波状文広口壺

所蔵資料登録番号A007190
作品・資料名波状文広口壺
制作時代・年代三国時代(5世紀)
制作/生産地(現在の地名)韓国
伝来・出土加那
資料点数1点
寸法高18.3 口径16.1 胴径17.7 底径6.0
寄贈者小池喜久代氏寄贈
作品解説【日本のやきものにも影響、交流の深かった加耶(かや)のやきもの】
加耶は百済(くだら)と新羅(しらぎ)に挟まれた小国家群で、豊かな鉄生産を背景に発展し、日本列島と密な交流を持ちました。本作は陶質土器(とうしつどき)と呼ばれる硬く焼き締まったやきもので、日本の須恵器(すえき)の源流となり、日本のやきもの史に大きな影響を与えました。
 陶質土器は水漏れしにくいため、液体を入れるのに重宝し、本作のような壺(つぼ)も多く作られました。口に数段の粘土の帯(おび)と、櫛(くし)で付けた波状(なみじょう)の文様が巡りますが、この装飾法は日本の須恵器も共通します。

2025.12.13 SUEKI特集
[陶質土器]広口壺
【頸部の波状文に注目!】
平底の球形胴に広く開いた口が付き、頸部を凸帯と波状文で飾り、胴部には成形時の格子タタキ目が施されています。これらの特徴から、加耶諸国の中でも固城を拠点とした「小加耶」の作と考えられます。特に頸部の文様構成は日本の須恵器とも共通しており、両者の深い関連性を示しています。

This vessel features a flat base, a globular body with lattice beating marks, and a wide mouth. The neck is adorned with raised bands and wave patterns. Based on these characteristics, it is attributed to Sogaya (Small Gaya), which was centered in Goseong within the Gaya confederacy. The decorative style of the neck, in particular, shares common features with Japanese Sueki, indicating a close connection between the two.

PageTop