定光寺本堂 附 宮殿

分類国指定
種別建造物
所在地瀬戸市定光寺町
所有者定光寺
指定年月日T15.4.19
時代室町後期
詳細解説三河湾を一望できる岬の先端に鎮座する。由緒は明らかでないが、社伝によれば、創立は白鳳時代と伝え、延喜式(えんぎしき)内社である。社殿は、海に向かって建てられ、南から拝殿、幣殿、その中央後方に本殿が鎮座し、その東側に境内社神明社、西側に境内社熊野社と3殿を並べて配置されている。
本殿は、天正8年(1580)の再建である。本殿形式は、三間社流造で檜皮葺あるが、背面は柱間が2間となっている。規模は間口4.894m、奥行4.515mである。正面と側面には擬宝珠高欄(ぎぼしこうらん)付の廻縁をつけ、正面には木階5級をおき、その下に浜床(はまゆか)をつくる。側面後端には脇障子を立てる。主屋柱は丸柱で、組物は平三斗(ひらみつど)、中備に蟇股を用いる。正面の中央間を広めて、両開き板扉を入れる。妻飾りは虹梁大瓶束(こうりょうたいへいつか)で、かぶら懸魚(げぎょ)をつる。前庇は両端のみ角柱を立て、組物は平三斗、中備に蟇股をおく。この本殿では、屋根が大きく、極端に反った曲線が印象的で美しく、丸柱や長押などの木柄が太くて力強い。また、庇柱と主屋柱にかかる海老虹梁も直線的で絵様が小さく、蟇股の形もよく、彫刻も素朴で、室町時代後期の建築的特色を良く示しており貴重である。(沢田多喜二)

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