大樹寺多宝塔 附 棟札
分類 | 国指定 |
---|---|
種別 | 建造物 |
所在地 | 岡崎市鴨田町 |
所有者 | 大樹寺 |
指定年月日 | M37.2.18 |
時代 | 室町後期 天文4年 |
詳細解説 | 寺は、浄土宗鎮西派に属し、文明7年(1475)に4代松平親忠が勢誉愚底を開山として創建された。徳川家・松平氏の菩提寺として盛衰をともにしている。天文4年(1535)に7代松平清康が伽藍を再興し、多宝塔はその時に建立されたものである。3代将軍徳川家光は寛永13年(1636)から大造営を行って寺観を整備し、現在の三門、総門、鐘楼、旧裏一の門、裏二の門はその時に建立されたものである。その後、安政2年(1855)の火災で主要堂宇を失ったが、同4年には本堂、大方丈、小方丈、庫裏などが再建され、いまなお徳川家・松平氏の菩提寺として相応しい威厳ある浄土宗伽藍を呈している。 この塔の建立年代は、心柱銘から天文4年(1535)の立柱と知られる。塔は和様で造られており、方三間(一辺4.35m)で、屋根は宝形造で元はこけら葺であった。和様の多宝塔では、一般に下層裳階の柱は角柱とされるが、この塔では丸柱が用いられ、組物は二手先で、中備に蟇股、間斗束を用いている。上層では白色の板張りの亀腹(かめばら)をつけ、禅宗様四手先の組物をのせて軒の出を深くする。上下層の釣合いがよく、蟇股や木鼻などから室町時代後期の意匠がよくわかる。境内においては唯一の室町時代の遺構である。(沢田多喜二) |
はじめに
1 文化財ナビ愛知は、県内に所在する国・県指定文化財、国の登録文化財の概要を紹介するものです。
2 解説文は、指定調査の報告書等を基に、愛知県文化財保護審議会委員の監修により作成しました。
3 文化財ナビへのリンク、解説文・写真の引用等については、あらかじめ愛知県県民文化局文化部文化芸術課文化財室にご連絡願います。
※建造物の詳細解説については、愛知県教育委員会が実施した「愛知県近代化遺産総合調査」、「近代和風建築総合調査」に携わっていただいた先生方のご協力をいただきました。なお、この調査の成果については「愛知県の近代化遺産」(平成17年刊行)、「愛知県の近代和風建築」(平成19年刊行)にまとめられています。
愛知県県民文化局文化部文化芸術課
文化財室 保護・普及グループ
Tel:052-954-6783 Fax:052-954-7479
〒4608501 名古屋市中区三の丸3-1-2
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