大善院のイブキ

分類県指定
種別天然記念物(植)
所在地常滑市奥条5-20
所有者宗教法人大善院
指定年月日H28.8.26
詳細解説本樹は、常滑市のほぼ中央部に位置する大善院地内に所在するイブキの巨木で、現在は大善院の所有である。真言宗の大善院は、室町時代の1469年に再建された寺院である。
ヒノキ科のイブキは、本州・四国・九州に分布する常緑高木である。大善院のイブキは、推定樹齢約500〜600年であり、樹高15m、幹周4m、根回りは5mに達する巨樹である。この樹は雌株であり4月から5月にかけて薄緑色の雌花を咲かせる。元々、海岸の岩場などに生育する木である。そのことから、海岸付近の神社や寺等に植えられることが多い。本樹も、海辺の地域であることから植えられたと推定される。しかし、イブキは、梨に発生する赤星病の病原菌の宿主となることから、庭木として植えられた物が現存することは珍しい。
本樹は、地元で古くから地域のシンボルとなっている。また、イブキを囲んで、地域の祭りが開かれたり、地域の保育園や小学校がイブキの見学に訪れたりしている。見学の際に児童生徒たちは、イブキをスケッチしたり、地域のことを学んだりしている。また、年間数万人訪れる巡拝者にとって、大イブキの下では夏の日差しを和らげ、多くの人々の憩いの場になっている。
このように本樹は、地元で大切に保存・管理され、その歴史を重ねてきた樹木である。

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