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名古屋仏壇制作技術

分類県登録
種別無形文化財
所在地名古屋市中区
保持者・保持団体名古屋仏壇制作技術保存会
指定年月日2026/2/10
詳細解説 伝統的な名古屋仏壇の制作は江戸時代に始まり、その造形はミニチュアの仏殿を中心とした構成と、漆塗りと金装飾が展開する豪華な意匠が特徴である。真宗大谷派名古屋別院、本願寺派名古屋別院が所在する名古屋市中区橘町、門前町には製造、問屋、小売業者が集中している。
 制作工程は、木地造りの後、宮殿造り、彫刻を経て漆塗りに進み、さらに錺金具造り、蒔絵、金箔置きを経て、組立が行われて完成する。現在、当地において最も中核的な工程が、木地造りにおける尺杖造り、漆塗りにおける箔蒔と梨子地塗り、錺金具造りにおける透かしと毛彫り、金箔置きにおける重押しである。
 尺杖は1本の白木に各部材の設計寸法を実寸で記入した定規で、尺杖造りはこの定規を使用した木取り技法である。箔蒔は金箔の小片、梨子地塗りは錫等の微細な金属片を、それぞれ木地に塗った漆の上に振りかけ、さらにその上に漆を塗るものである。透かしは表金具において不要部分を型抜きして透かし文様を造形する技法、毛彫りは内金具において鏨と金槌を用いて繊細な文様を表現する技法である。重押しは漆の拭き取り方によって、艶消し状に仕上げる金箔置きの技法である。
 名古屋仏壇制作に関する技術の一部は、今日では伝統的な仏壇の制作のみならず、歴史的な文化財の保存修理にも用いられ、当地における歴史・文化の継承と発展に寄与している。
 名古屋仏壇の制作に関わる職人は八職と呼ばれ、木地師、荘厳師、彫刻師、塗り師、外金物師、内金物師、蒔絵師、箔置き師で構成され、さらに天井師、呂色師、仕組師を加えて十一職とも称する。伝統的な名古屋仏壇制作技術は、従来は家内工業として職種毎に継承されてきた。現在は当地の産地組合である名古屋仏壇商工協同組合が各制作職種(制作部門)における継承事業を取りまとめるとともに、相互の交流を図っている。
 各制作部門では、伝統工芸士が講師となって技術講習会を開催し、部門内のみならず他部門の若手職人に技術を継承している。組合の組合員とその従業員は、従来は1人1部門の技術を基本としていたが、現在は1人で複数部門の技術を習得、施工できるようになりつつある。名古屋仏壇制作技術保存会は当地の技術者を中心に、こうした技術継承事業を促進し、より充実させるために設立された団体である。
 名古屋仏壇商工協同組合及び名古屋仏壇制作技術保存会が継承事業を実施してきた、尺杖造り、箔蒔、梨子地塗り、透かし、毛彫り、重押しからなる「名古屋仏壇制作技術」は、伝統的な名古屋仏壇制作において重要な位置を占めるとともに、文化財の保存修理にも寄与している。こうしたことから、「名古屋仏壇制作技術」を愛知県登録無形文化財(工芸技術)として登録し、名古屋仏壇制作技術保存会をその保持団体として認定する。

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