灰釉蕨手文手付水注

分類県指定
種別工芸
所在地瀬戸市南山口町
所有者等愛知県陶磁美術館
指定年月日R7.2.12
時代鎌倉
詳細解説鎌倉時代初期(12世紀末)から室町時代にかけて、瀬戸窯では釉薬を施した陶器(通称「古瀬戸」)の生産が展開した。鎌倉時代から南北朝時代にかけての古瀬戸製品は、国産高級陶器として、東日本を中心に新興の武士や寺院などの上層社会でステータスシンボルとして受容されたと考えられている。
本品は出土地不詳。昭和初期には北大路魯山人(※)が所持していた。球状の体部に印花文等の技法によって剣先文、蕨手文、円圏文、花文を配し、灰釉は黄緑色に発色しつつ一部は下方に向かって流れて景色となっている。古瀬戸印花文水注としては装飾性が極めて高く、類例のない名品として知られてきた。魯山人以降、長く個人の所蔵品であったが、2020年度に愛知県の所有となった。

(※)北大路魯山人 1883-1959。篆刻や書、陶磁、漆工芸、絵画、料理など様々な分野で独創的な芸術活動を展開した芸術家。

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