木造金剛力士立像

分類県指定
種別彫刻
所在地碧南市音羽町
所有者海徳寺
指定年月日H31.2.15
時代鎌倉
詳細解説海徳寺(かいとくじ)の山門に安置される一対の金剛力士立像で、向かって右に阿形(あぎょう)、左に吽形(うんぎょう)を配する、寄木造、彩色、玉眼(ぎょくがん)嵌入(かんにゅう)の像である。
本像は、明治初年の神仏分離に際して、第22代住職が大浜(現碧南)商人とともに伊勢で譲り受け、海徳寺の現本尊・木造阿弥陀如来坐像他とともにもたらされた像と伝えられている。本尊の阿弥陀如来坐像は、伊勢神宮内宮(ないくう)近くにあった菩提山(ぼだいせん)神宮寺の本尊であったことが判明しており、本像も菩提山神宮寺の二王像であり、伊勢神宮寺旧仏として数少ない作例のひとつと考えられる。
両像ともに頭上に髻(もとどり)を結い、瞋目(しんもく)の忿怒相(ふんぬそう)で上半身裸形であり、腰を強く捻った腰高な体勢や短めの裳によって、颯爽(さっそう)とした躍動感をあらわしている点に特色があり、頭部が小ぶりの自然な比例からも、鎌倉時代に入ってからの作とみられる。
両像は、菩提山神宮寺旧在像として神仏習合の実態や碧南地域の伊勢地域との文化的つながりなどを伝える点でも貴重な像である。

PageTop