木造三十三応現身像

分類県登録
種別彫刻
所在地春日井市白山町
所有者宗教法人円福寺
指定年月日R5.8.4
時代室町時代後期
詳細解説本像は、円福寺観音堂に安置されている。観音堂では中央の厨子 内に十一面観音立像、左に不動明王、右に毘沙門天の立像が祀られている。この三尊像を挟む形で、三十三応現身像が配置されている。『法華経』では、観音菩薩はあまねく衆生を救うために相手に応じて三十三の姿に変化するといい、三十三応現身像は、それを図像化したものである。すなわち、仏身(ぶっしん)、辟支仏身(びゃくしぶっしん)、声聞身(しょうもんしん)、梵王身(ぼんのうしん)、帝釈身(たいしゃくしん)、自在天身(じざいてんしん)、大自在天身(だいじざいてんしん)、天大将軍身(てんだいしょうぐんしん)、毘沙門身(びしゃもんしん)、小王身(しょうおうしん)、長者身(ちょうじゃしん)、居士身(こじしん)、宰官身(さいかんしん)、婆羅門身(ばらもんしん)、比丘身(びくしん)、比丘尼身(びくにしん)、優婆塞身(うばそくしん)、優婆夷身(うばいしん)、長者婦女身(ちょうじゃぶにょしん)、居士婦女身(こじぶにょしん)、宰官婦女身(さいかんぶにょしん)、婆羅門婦女身(ばらもんぶにょしん)、童男身(どうなんしん)、童女身(どうにょしん)、天身(てんしん)、龍身(りゅうしん)、夜叉身(やしゃしん)、乾闥婆身(けんだっばしん)、阿修羅身(あしゅらしん)、迦楼羅身(かるらしん)、緊那羅身(きんならしん)、摩睺羅伽身(まごらかしん)、執金剛身(しゅうこんごうしん)の三十三身である。
本例においては、いずれも正面を向いて岩座(いわくら) に直立する点では共通するが、印相(いんぞう) を結ぶ像、持物を執る像など三十三様の姿にあらわされている。なお、本例において天身(てんしん)像は補作である。全国的にみても三十三応現身像の作例は数が少なく、中世以前では数えるほどである。当初の彩色が残らないのは残念ではあるが、応現身像がまとまった形で残ったのは貴重である。

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