木造日光月光菩薩立像

分類国指定
種別彫刻
所在地岡崎市滝町
所有者岡崎市滝町
指定年月日R5.6.27
時代鎌倉時代後期-南北朝時代
詳細解説日光月光菩薩は髪際で五尺を測る。一見して彫りが浅く平板な印象があるものの、側面にまわれば胸の厚い体軀で、構造も頭体幹部を正中で二材矧ぎとし肩を割矧ぐ大きな木取りになる。
現状の表面の下層には当初の表面仕上層の存在が認められ、著衣の彩色文様の趣致は十二神将と同じである。頭部の奥行きが深く、側面での頬から顎に掛けての肉取りも共通する。細部も、単位毎に凹面をつくる腰布房飾の雲頭形は十二神将中の一号に、正面腰下にみられる裙結びの輪の形状は七号に、元結の半切花飾の形状は七・九号に近似しており、十二神将と同手とみてよい。
日光月光菩薩の両脛外側の瓔珞によるたぐれを大きくつくることは運慶作の瀧山寺聖観音像(重要文化財)にもみられ、製作の際に参照した可能性がある。空気をはらんで三角形に持ち上がる衣文や松葉形の衣文を多用することから作者は慶派に学んだ仏師が想定される。鎌倉時代の基準作が当地の古刹に堂とともに一具として伝来したことは貴重であり、とりわけ十二神将は面貌や持物に顕著な特徴を示す異色作として注目される。

PageTop