木造勢誉上人坐像(明応六年在銘)

分類県指定
種別彫刻
所在地岡崎市鴨田町
所有者大樹寺
指定年月日S59.2.27
時代室町 明応6
詳細解説高さ55.3cm、桧材、寄木造(よせぎづくり)、玉眼(ぎょくがん)、彩色。
明応6年(1497)、開山勢誉(せいよ)上人の寿像(じゅぞう)(上人54歳の時)をその弟子等が発願造立したもので、安政2年(1855)の火災に際してもその難を免がれ、今日にいたったものである。
当地方には室町時代の肖像彫刻は他にも存在するが、本像はそれらの中にあっても佳作とみられるものである。強い刀法で衣褶(ひだ)の線条なども比較的鋭く、多少の誇張はあるにしても殆んど後世の補修も認められず、上人の風貌をよく窺わせる手法表現である。
しかも胎内背面に墨書銘がある。「明応六年丁巳十一月日 当寺大樹開山『真蓮社勢誉上人』 五十四歳之寿像 願主弟子真誉明潜等仏所定清」。このうち、『真蓮社勢誉上人』の部分は朱書きされている。恐らく寿像であるためと推定される。
在銘で、しかも寿像であることが明白な点、当寺にとっては貴重な存在である。像そのものが佳作である点と合わせて価値がある。

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