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木造熊野三所懸仏

分類県指定
種別彫刻
所在地新城市巣山
所有者熊野神社
指定年月日S54.3.22
時代鎌倉
詳細解説高さ薬師如来坐像20.3cm、千手観音坐像20.4cm、阿弥陀如来坐像24.7cm。
懸仏(かけぶつ)は、平安中期の神仏習合(しんぶつしゅうごう)信仰のなかから生まれた御正体(みしょうたい)(本地仏(ほんじぶつ))をあらわす像である。熊野神社は三所権現(さんしょごんげん)ともよばれ、早くから本宮(ほんぐう)、那智(なち)、速玉(はやたま)の3社がそれぞれ阿弥陀如来、千手観音、薬師如来を本地として崇敬してきた。この信仰が紀伊半島から海路で三河沿岸に、ついで川沿いに三河山地にまで伝えられたことを巣山の懸仏は物語っており、この点がまず重視される。
さらに懸仏自体をみると、三本地仏が揃っていて、しかも全国的にも珍しく総てが木製であることは貴重である。特に木製鏡板が縁取りや猪目(いのめ)型吊手など、すべてを浮彫式に表現している点、他に類例をみない。

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