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尺八 芸名:野村 峰山

分類国指定
所在地名古屋市守山区
指定年月日2022/10/31
詳細解説尺八は竹製縦吹きの管楽器の一種で、雅楽に使用した「古代尺八」、一般的な尺八より短く、近世に流行した「一節切」、普化宗で用いた「普化尺八」、さらに普化尺八を基にした「新尺八」などがある。古代尺八や一節切による演奏伝承は途絶えたが、江戸時代に普化宗の法器として普化僧(虚無僧)によって演奏された普化尺八は、江戸時代中期に初世黒澤琴古によって集成され、これが琴古流の系統となった。
江戸時代には尺八を一般には奏することが出来なかったが、1871年に普化宗が廃された後は、広く人々によって愛好されるようになり、洗練された。息遣い、指遣い、首の操作などによって様々な音色、音の強弱や揺れなどを作り出し、精神性をも感じさせる表現を創出する。尺八本曲の演奏に加え、箏や三絃との合奏も行われ、日本伝統音楽の一つとして特色を発揮している。流派には、琴古流や都山流をはじめ、上田流、竹保流などがある。以上のように、尺八は、芸術上特に価値が高く、我が国の音楽史上特に重要な地位を占めるものである。
野村正也(芸名 野村峰山)氏は、尺八愛好家であった父の手ほどきで尺八を学び始め、ほどなく鈴木鶯山や坂鋼山の指導を受け、高校在学中に第1回都山流尺八本曲コンクール全国大会で金賞を受賞するなど、早くから頭角を現した。NHK邦楽技能者育成会第22 期生としても研鑽を積んだ同人は、以後、本格的に都山流尺八演奏家としての道を志し、初世山本邦山(2002年重要無形文化財「尺八」(各個認定)保持者)にも師事して更に技芸を磨いた。1977年、都山流尺八師範検定試験を首席登第、1984年には大師範、1996年には竹琳軒大師範を受け、都山流尺八の演奏技法を高度に体現する演奏家の一人として、斯界において重要な位置を占め、活躍している。
同人は、都山流尺八本曲の独奏や合奏をはじめ、箏、三絃とのいわゆる三曲合奏でも優れた演奏成果を示している。とりわけ初世中尾都山による都山流本曲について、楽譜や口伝に基づく入念な演奏解釈を行い、曲の成立背景をも踏まえた演奏は高く評価されている。また作曲にも力量を発揮し、多くの作品を世に出している。

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