冨田家住宅土蔵

分類国登録
種別建造物
所在地岡崎市本宿町
所有者個人
指定年月日R2.4.3
時代明治前
指定理由敷地南西の木南舎背面にある東西棟で、南の家財蔵と北の米蔵からなる。いずれも切妻造桟瓦葺で、鉢巻を廻す。家財蔵は東に、米蔵は北に戸口を開き、それぞれ戸前に下屋を付す。外壁は下見板張で、家財蔵二階は漆喰塗とする。屋敷構えの一角を形成する。
詳細解説冨田家は、元禄11年（1698）に旗本の柴田出雲守勝門の知行替えにより、正徳４年（1714）に冨田善太夫庸久が陣屋預かりとなった。その後、享保７年（1722）に元右衛門重庸が庸久の後を継ぎ、本宿の陣屋隣に屋敷を移し、冨田家は幕末まで代々陣屋代官を勤めた。
明治に入り、医者を開業した冨田家は、陣屋と代官屋敷の土地を受け継ぎ、建物としては代官屋敷の旧主屋である「木南舎」とその奥に建つ「土蔵」を残している。現在は、敷地の中央に木南舎が建ち、その北西側に土蔵が並ぶ。
土蔵は、木造平屋建、切妻造、瓦葺の家財蔵の北に、木造平屋建、切妻造、瓦葺の米蔵が接続している。１階部分を黒塗の下見板張とし、家財蔵２階部分を白漆喰塗としている。土蔵は明治９年（1876）の墨書があり、明治期の建立であることが分かる。
なお、平成30年（2018）に木南舎及び土蔵の改修工事が行われ、現在は木南舎はレストラン、土蔵は菓子工房及び古文書等展示室として活用されている。
以上のように、冨田家住宅は、代官屋敷の景観を今に伝える貴重な文化財である。

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