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東山北野遊楽図屏風

分類県指定
種別絵画
所在地西尾市亀沢町 西尾市岩瀬文庫(寄託)
所有者長圓寺
指定年月日H4.2.28
時代江戸初期
詳細解説六曲一双 紙本金地著色 各153.3×363.0cm
右隻に祇園社と左隻に北野社を中心にして構成した風俗図屏風である。右隻東山遊楽場面は桜の清水寺と八坂塔と知恩院までを景観範囲とする。画面中央に大塔描き、右から祇園社の朱塗り鳥居をくぐり緒社に詣でる人々と、踊りと酒宴を繰り広げ浮かれる人々が細密に描かれて臨場感を伝えている。左隻は参詣に訪れる人々が左から門をくぐり本殿へ至る北野社の様子と殿社が細部の造作まで詳細に描かれる。両隻とも周辺部は金雲で取り囲まれている。華やかな彩色が比較的良く残っている。筆者は特定できないが、細かい描写が丁寧にされていることや、両社の画面構成への取り込み方が社寺縁起絵巻などに近い特色はみられる。知恩院三門が描かれていることから、元和5年(1619)以降の景観であることがわかる。また、正保2年(1646)消失前社殿や石鳥居になる前の鳥居である。人々の風俗に元和から寛永初めごろの様子が見られる。本屏風は板倉重宗の寄進の「洛外之絵」と長圓寺開山仙麟長膳(~1642)時代の『校割帳』に記載がある。これらから制作期も元和5年~寛永19年(1619~42)頃である。東山北野遊楽図としては早期の作品である。

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