徳川美術館山の茶屋

分類国登録
種別建造物
所在地名古屋市東区徳川町
所有者公益財団法人徳川黎明会
指定年月日H26.10.7
時代明治中
指定理由徳川美術館北側の庭園に位置する。数寄屋風書院座敷で3区画の平面構成を持ち、大名家の風格を見せたつくりとする。
詳細解説山の茶屋は徳川美術館北の庭内に位置している。寄棟造、桟瓦葺、銅板葺土庇(どびさし)付である。平面計画は東西棟(上段の間、中段の間)と南北棟(下段の間・茶室)を1本の柱を共有して直角に配置し、各部屋の等級と高低差を変えている。上段の間は、台形の踏込床に畳床をもつ8畳敷に3畳の次の間がつく。床は塗回し床、床柱は辛夷(こぶし)の皮付き丸太、袖壁には半月形の窓を付けている。中段の間は6畳敷きで、踏込板敷きの洞床(ほらとこ)を持つ。下段の間は三角形の踏込板に壁床6畳台目の座敷だが、水屋が設けられている。天井が特に複雑で、水屋前を杉の天井板に見付1寸の黒割竹の竿縁天井、障子窓側は掛込天井、床前の天井を網代として抑揚をつけている。茶室と呼ばれる部屋は、5畳半の畳敷きと隅切りの板敷き、台形の平面を持つ踏込床となっている。また、東西棟は面皮柱を用い、南北棟は杉四方柾目柱としている。総じて掛込天井と濡縁・土庇、面皮柱や丸太、壁面は砂壁、下地窓を多用し、部屋の隅を斜めに切った平面など数寄屋好みを表現している。

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