萬乗醸造元蔵

分類国登録
種別建造物
所在地名古屋市緑区大高町
所有者株式会社萬乗醸造
指定年月日H19.7.31
時代明治
指定理由主屋の南方に位置し、瓶詰作業場の西に接して建つ。桁行9間、梁間8間、切妻造、桟瓦葺、2階建の仕込蔵で、北面東寄りに桁行6間半、梁間4間、南北棟の米蒸し室が取り付き、米蒸し室の西に試験室を配する。外部は簓子下見板張。醸造場の中心をなす施設。
詳細解説愛知県知多地方での酒造の歴史は古い。江戸時代の18世紀後半には、知多酒の江戸送りが盛んになった。久野家は、大高村の庄屋を務めた名家で、酒造業を始めたのは、記録上、天保8年(1837)以降とされる。江戸時代末期には、現在の敷地の一部を借入、新蔵を建築したとされている。
(株)萬乗醸造は、名古屋市緑区大高の大高城址公園の西側に位置する。北側の新町通に面して主屋や屋敷蔵などを並べる。これに対して、醸造蔵群などは中庭を取り囲む形で配置されている。主屋の東端から、中庭を囲んで時計回りに、旧精米作業所、瓶詰(びんづめ)作業場、元蔵、中蔵、新蔵が並ぶ。
瓶詰作業所の西隣にある仕込蔵。梁間8間、桁行9間、桟瓦葺、切妻造、2階建の土蔵。明治中期に建替えられた。このため、元蔵という名称にかかわらず、3棟の仕込蔵の中で一番新しい。外壁は、押縁に階段状の刻みを付けた簓子(ささらこ)下見板張。
江戸時代から明治期の仕入蔵が往時のまま使われており、貴重な産業遺産となっている。主屋、離れ、茶室など、名古屋の経済人の文化を示すもので、貴重である。(瀬口哲夫)

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