春江院鐘楼

分類国登録
種別建造物
所在地名古屋市緑区大高町
所有者宗教法人春江院
指定年月日H17.7.12
時代江戸
指定理由本堂北にある。玉石で築いた基壇上に建ち、袴腰は簓子(ささらこ)下見板張、縁には擬宝珠高欄を廻す。組物は出三斗(でみつど)の詰組であるが、壁付を横広がりとし、二軒扇垂木(ふたのきおうぎだるき)、入母屋造、桟瓦葺で、格天井の格間には彩色を施す。禅宗様意匠になる均整のとれた方1間の袴腰付鐘楼。
詳細解説当山は大高山と号し、曹洞宗に属し、創立は弘治2年(1556)大高城主水野大膳が父和泉守の菩提を祀るため、横須賀長源寺の4世峰庵玄祝(天正15年・1587寂)を開山として開いたものである。玄関は、本堂の西隣りで庫裡との間をつなぐ通路部分に造られ、式台、取次、床の間付の座敷からなる。庫裡の南後方には書院、不老閣が続いている。書院は有松の竹田庄九郎邸の脇本陣を移したと伝えられる建物である。書院は、10畳の一の間、17畳の二の間からなり、一の間には床、棚、付書院が備えられ、2室の東側と南側にはL字型に畳敷きの広縁が回っている。書院の西側には中庭を囲むように方丈の間、茶室、不老閣が建っている。鐘楼は、入母屋造り、桟瓦葺、袴腰付きとし、上層に廻縁を設け、軒を二軒扇垂木とし、4本の柱間を開放して梵鐘を吊っている。山門は一間薬医門、切妻造り、桟瓦葺、江戸中期の建物であるが、正面前方に出された雄梁の先端を控柱で支えており、変則的な薬医門である。(杉野 丞)

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