明治村六郷川鉄橋

分類国登録
種別建造物
所在地犬山市内山
所有者財団法人明治村
指定年月日H16.2.17
時代明治
指定理由日本最初の複線用鉄橋で、当初6連あった錬鉄製100フィートポニーワーレントラス橋の1連を移設復原。桁長約30m、桁高約3m、幅員7.5m。部材製作のリヴァプール HAMILTON'S WINDSOR IRONWORKS社と設計者の英人土木技師R.V.Boyleの銘板が残る。
詳細解説日本で最初の複線用鉄道橋の一部で、錬鉄製。明治5年(1872)に鉄道が開通した当時、新橋から横浜までの路線は、工事の容易な海岸付近が選ばれた。そのため、東京湾に流れ込む数々の川を渡る橋が作られたが、大小の橋全てが木橋で間に合わされた。この六郷川橋梁の設計は全てイギリス人技師ボイルの手になり、明治8年(1875)イギリスで製作、輸入の後、お雇い外国人技師によって架橋された。
六郷川は多摩川下流の名で、大水の際に堤防内の高みも含めて流れる川幅は500mにも及ぶ。常に水が流れる部分は長さ100フィート(約30m)のポニー・ワーレン・トラス(写真の物)を6連繋ぎ、更に40フィート (約12m)のガーダー橋(上路板桁)24連を連続させ、総延長475m余の橋となった。トラス橋の幅員は7.5m、トラスの高さ約3mである。線路を受ける横桁は左右のトラスに載せるだけで、リベット等で固定される設計ではなかった。そのため、堤防と線路の角度に応じて斜めに架橋することが容易であって、現に、六郷川鉄橋は右方向へ斜めである。橋脚、橋台も斜め配置である。(西尾雅敏)

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