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建中寺徳興殿(旧名古屋商業会議所本館)

分類国登録
種別建造物
所在地名古屋市東区筒井
所有者宗教法人建中寺
指定年月日H12.4.28
時代明治
指定理由名古屋商業会議所(現商工会議所)本館として建てられ、当初は洋風の議事堂が附属していた。入母屋造瓦葺で、2階部分を大空間の「集会所」としており、建中寺に移築されてからは畳敷の大広間となっている。名古屋市街地に建つ木造建築としては最大級のもの。
詳細解説建中寺徳興殿は、明治14年(1881)に設立した「名古屋商業会議所」の旧事務所を改め、明治29年(1896)に名古屋商業会議所の所屋本館として建てられた。新所屋は本館が日本建築2階建木造135坪、議事堂が西洋造平屋木造139坪、付属建物約35坪であった。清水満之助(現清水建設)が請負い、総経費1万8千9百円10銭2厘とし、栄町7丁目に建てられたが、大正10年(1921)9月に大池町に移転され、さらに、昭和9年(1934)に当寺に移築された。『旧日本造所舎平面図』によると、桁行15間、梁間8間、北面建ち。前面の中央東寄りに玄関を出し、4本の柱間に車寄を造っている。1階は、東西に中廊下を通し、南側では東から階段室、事務室、役員室、第一応接室、廊下をならべ、これらの南面に廊下を通し、北側では東から傍聴人控所、玄関通路、受付、第2応接所、宿直室、内玄関を配している。2階では、東端の階段を上がると北側に談話室を設け、これらの西側に129畳分の集会所を設けている。集会所は格天井を張り、西側を上座とし、中央に間口3間の大床を設け、北に違棚、南に付書院を設けている。さらに、集会所の南北2面には幅1間の廊下が通され、周囲の眺望を楽しむことが出来た。現在、徳興殿はほぼ当時の状況で残されているが、1階の諸室の部屋割、玄関、廊下、階段に変更がある。(杉野 丞)

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