豊橋市公会堂

分類国登録
種別建造物
所在地豊橋市八町通
所有者豊橋市
指定年月日H10.9.2
時代昭和前
指定理由市制25周年の記念建造物に相応しく、大階段・コリント式列柱による玄関ロッジア・両脇の階段室が堂々たる正面ファサードをつくる。階段室の半球ドームと四方に配置された羽ばたく大鷲がシンボル。静岡や浜松の公会堂を手がけた中村與資平の設計になる。
詳細解説この建物は、豊橋市が市制25周年記念事業と昭和天皇の御大典記念事業を兼ねて建設した公会堂である。建物の正面中央には大階段が設けられ、そこを上がったところに玄関がある。当時「大集会室」と呼ばれたホールには、この2階玄関から入るようになっている。竣工時のホールは、1524名収容であり、大都市に建てられた公会堂の規模であった。3階には貴賓室が設けられ、1階には、竣工時には宴会場を兼ねた食堂や球戯室が設けられた。
建物の構造は、鉄筋コンクリート造で、ホールの屋根を支える小屋組とそれを支える柱は鉄骨造である。正面玄関に立つ柱には当時流行していた「中村グラニット」と呼ばれた人造石が貼られた。
建物の様式は、正面中央のアーチの形状や軒先に廻る装飾からロマネスク様式の影響であるという指摘もある一方で、中村工務所作成の仕様書にはバロック様式を意味する「近世式」と記されているが、全体の様式は、当時、「復興式」と呼ばれた西洋建築のルネサンス様式を基調とした様式である。正面玄関の両脇にある階段室上部にはモザイクタイルを貼ったドームがあり、その四隅には、市制25周年を記念して、豊橋市の将来を象徴した力強く羽ばたいて飛び立とうとする4羽の鷲の像が付けられている。(西澤泰彦)

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