愛知大学旧本館(旧陸軍第15師団司令部庁舎)

分類国登録
種別建造物
所在地豊橋市町畑町
所有者学校法人愛知大学
指定年月日H10.1.16
時代明治
指定理由木造2階建で、両翼屋を背後に突き出したコの字形平面をもつ。外壁に下見板を貼り、装飾をあまり用いない簡素なつくりで、縦長の上下窓を均等に配置するなど標準化の傾向がみられる。明治末期の陸軍による兵営建築の手法をよく示す建物である。
詳細解説この建物は、陸軍第15師団司令部として明治41年(1908)8月に竣工した木造2階建の建物である。外壁は白ペンキ塗のドイツ下見板張、小屋組は木造トラスで、屋根は桟瓦葺である。基礎は外周のみ煉瓦造の布基礎である。玄関の両脇や建物の隅などで壁が突き出して厚くなっているのは、昭和57年(1982)に行われた補修工事でバットレスを入れたためである。
建物の平面は、東西方向に主翼を設け、その両端で両翼が後方に突き出るコの字型。現在の愛知大学本館が建てられるまでは、主翼中央部と両翼の後方に木造平屋建の別棟が1棟ずつあり、渡り廊下で、本庁舎とつながっていた。玄関は、南側正面中央に突き出して設けられ、入口上部と玄関部分の上部にはいずれもぺディメントがついている。
第15師団は大正時代の軍縮によって廃止となったため、その後、この建物は、騎兵第4旅団本部や予備士官学校などが利用し、戦後は長らく愛知大学の本部として利用されたが、現在は愛知大学大学記念館として利用されている。(西澤泰彦)

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