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八丁味噌本社事務所

分類国登録
種別建造物
所在地岡崎市八帖町
所有者合資会社八丁味噌
指定年月日H8.12.20
時代昭和前
指定理由「カクキュー」の商号で知られる八丁味噌製造業者の本社社屋。南北の2つの棟が中庭と土間をはさんで接続している。教会堂風の構成と、白い柱型と壁面の下見板の濃茶色とを対照させた意匠が特徴的である。内部は洋風の意匠でまとめられている。
詳細解説(資)八丁味噌は、江戸時代から続く八丁味噌(豆味噌)を製造する老舗で、商号を「カクキュー」とする。切妻造の味噌蔵がいくつも並ぶ敷地内に、洋風の事務所がある。事務所は大小2棟あるが、中庭、土間、渡廊下を介して接続され、一体的なものとして造られている。一辺50cmほどの柱型は、すべて室外側に押し出され、事務所棟の外観を特徴づけている。一方、下見板張壁は濃茶色、太い柱型は白色になっており、味噌蔵の黒板壁と白壁と調和するものとなっている。妻面には八丁味噌の屋号看板が取り付けられている。
大きな味噌蔵に囲まれた敷地内において、小さな事務所を出来るだけ大きく見せる工夫が、結果として独特の形を生み出すことになっている。
事務所の南側の棟に、事務室、応接室、会議室などがあり、こちらはもっぱら執務中心。北側の棟には、洋間などの部屋があり、接客用に用いられた2階には、折上げ天井を持った洋間と床をやや高くした10畳の座敷などがある。質の高い和洋折衷建築である。(瀬口哲夫)

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