イタセンパラ

分類国指定
種別天然記念物(動)
所在地富山県 岐阜県 愛知県 大阪府
指定年月日S49.6.25
詳細解説1974年に種指定の国の天然記念物に指定され、1995年には種の保存法(1992)にもとづく国内希少野生動植物種に指定されている。また、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧IA類(CR)国指定の天然記念物である。木曽三川水系、淀川水系、富山県氷見市の河川下流域にのみ分布する、全長10cmになる大型のタナゴ類であり、主に付着藻類を食べる。水質悪化や底質、コンクリート化、水位の安定などの河川環境の単調化によって減少し続けている。多くは1年で成熟し、10月から11月頃に繁殖する。受精後約1週間でふ化し、貝の中で冬を越し、翌年4~5月に貝から泳出する。
 本種は二枚貝に産卵するという繁殖様式をもつため、二枚貝の生息環境の悪化も本種の減少理由となる。現在では木曽川水系のワンドなどに生息しているが、近年激減し絶滅の危機に瀕し ている。大阪府や富山県氷見市では、保全池の設置など保護に取り組んでいる。
参考資料
片野修・森誠一監修編集(2005)希少淡水魚の現在と未来-積極的保全のシナリオ-. 信山社,東京.
森誠一監修編集(1999)淡水生物の保全生態学.信山社サイテック
Kitamura J. et al. (2008) Host mussel utilization of the Itasenpara bitterling (Acheilognathus longipinnis) in the Moo River in Himi, Japan. Ichthyol Res.

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