蓑曳鶏

分類国指定
種別天然記念物(動)
所在地愛知県 静岡県
指定年月日S15.8.30
詳細解説江戸時代中期以降に作出された日本鶏で、古代に中国から輸入された小国鶏(しょうこく)と、江戸初期にタイ国からもたらされた軍鶏(しゃも)の交配種とみられる。しかし、近年の遺伝解析によって小国鶏や軍鶏の系統ではなく、土佐地鶏や鶉矮鶏などに近いとされ、インドネシアなど東南アジア系の可能性がある。
 体形は尾長鶏に似ており、頸羽・蓑羽・尾羽ともに豊かで美しい。ことに腰の部分の蓑羽は地を曳くほどに長く、しかもふさふさと垂れて優美である。羽の色によって猩々(しょうじょう)・白笹(しろざさ)・赤笹・五色(ごしき)・白色の5つに種別される。
標準体重は雄2,300g、雌1,800gで、小形のシャモに近い。
 主な飼養地は東三河を中心とする愛知県と静岡県で多く飼われており、三河系と遠州系があったとされる。現在では遠州系はほとんど見ることができない。戦後一旦絶滅したとされるが、鶏研究家の村松弥幸が復元し、白笹以外の赤笹や猩々も多くなったという。
参考資料
 三井・衣川 1933「家禽図鑑」成美堂
 小穴 1951 「日本鶏」日本鶏研究社
 全国日本鶏保存会(監修)2004 「日本鶏 世界鶏」家の光協会
 Oka et al. 2007 Analysis of mtDNA sequences shows Japanese native chickens have multiple origins. Animal Genetics, 38: 287-293.

PageTop