菊花文三耳壺〈丹波〉

分類国指定
種別工芸
所在地瀬戸市南山口町 愛知県陶磁美術館(寄託)
所有者個人
指定年月日H17.6.9
時代鎌倉 13世紀初
詳細解説法量 高さ30.0㎝、口径9.9㎝、胴径20.7㎝、底径8.6㎝
兵庫県篠山市とその周辺(旧今田町周辺)に所在する中世を代表する窯業地の1つである丹波窯の作品で、白い素地に濃緑色の自然釉がたっぷりとかかり表面が明褐色に焼けこげている。平安~鎌倉時代に多く焼かれた三方に2本の粘土紐を合わせた耳をつけた三耳壺で、肩から胴上部の三耳の間に3枚重ねの菊花文や葉文が篦彫りでくっきりと描かれている。本壺はほとんど遺例が存在しない平安時代末期から鎌倉時代初期までさかのぼる丹波窯の最初の頃の作品でありながら、整った形でほぼ完存しており、文様も見事に描かれている。また、外反する口頸部の先端上部に面取りを施す口作りも丹波独特の特徴を示している。みごとな絵画文の施された中世初期を代表する優品である。

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