朱漆角切盤8枚/朱漆入角盤12枚/朱漆擎子5枚 附(銅鋺/銅皿)

分類国指定
種別工芸
所在地一宮市真清田 東京都台東区上野公園 東京国立博物館 京都府京都市東山区茶屋町 京都国立博物館
所有者真清田神社
指定年月日H1.6.12
時代室町 長禄元
詳細解説朱漆角切盤 8枚、朱漆入角盤 12枚、朱漆擎子 5枚 長禄元年の寄進漆銘がある
附 銅鋺 5口 内2口に天正2年の寄進刻銘がある
胴皿 20枚
角切盤 36.6×36.6×1.8㎝
入角盤 大 39.7×39.7×1.6㎝ 小 35.7×35.7×1.6㎝
甘杯器擎子 径21.1 高3.9㎝
銅皿 大 径23.0~23.2 高8.7~8.8㎝ 小 径12.3~12.4 高2.2~2.6㎝
室町時代(長禄元年.1457)
角切盤は四角を削いだ通例の折敷形である。入角盤は大・小とも同形で、四角を内に刳り込んだ入角形とし、表面の周縁は細い縁を造り出し、裏面は四隅を低い刳形脚状に造り出し、四方の周縁を大きく面取っている。また裏面には2本の細木を嵌めて反り止めとしている。擎子は高台付の皿状をなすが、上面は平で、中央部には椀をのせるため浅く彫り込んでおり、また入角盤と同様に上面2か所に2本の反り止めの細木を嵌めている。
いずれも表面は黒漆のままとしており、角切・入角盤の上面中央には「真清田」の透漆銘を、裏面中央には「長禄元年丁丑十月□晦日 □願主□公範」の朱漆銘がある。また擎子には1枚を除き、上面に「真清田」透漆銘、高台内には「長禄元丁丑十晦□願主□公範」の朱漆銘がある。
漆銘中の真清田とは尾張国一宮の真清田神社のことであり、当社における神前の供具として用いられたものである。
俗に根来塗と称される朱漆器は、主に中世以降に調度・飲食具類として多用されており、その遺存するものも数多い。その中にあって当社の朱漆器は、刳形脚を造り出し、反り止めを施すなど特色ある形態・技法を示す入角盤・擎子を含み、しかも作期・由緒を明確にし、かつ社に纏まって伝存している。
なお、附の銅鋺・銅皿は盤・擎子より後代の寄進にかかるものであるが、盤と1具として用いられてきたものである。
中世漆工芸史上の基準作例として、かつ神饌具の伝存極めて稀な一括資料として重要である。

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