木造愛染明王坐像

分類国指定
種別彫刻
所在地あま市甚目寺東門前
所有者甚目寺
指定年月日H24.9.6
時代鎌倉
詳細解説愛染明王は、愛欲などの迷いがそのまま悟りにつながることを示す密教(みっきょう)の神である。本像は、弘安7年(1284年)の文書により、東密(とうみつ)岩蔵流(いわくらりゅう)の祖である良胤(りょういん)の弟子、浄胤(じょういん)らが師の等身大に造ったことが判明しており、鎌倉時代の造像である。寄木造(よせぎづくり)で、頭部は獅子冠(ししかん)をかぶり、憤怒相(ふんぬそう)ではあるが比較的穏健美麗である。
近年、本像の内部に胎内仏(たいないぶつ)が納められていることがわかり、解体修理時の調査で、胎内仏も愛染明王坐像であることが判明した。胎内仏の像高は6.6㎝で、口径縦9.8㎝の合子(ごうす)内部に納められており、本像内部に設置した腕木(うでき)の上に納入されていた。
本像は、像内に胎内仏が納められているなど、鎌倉時代愛染明王像の中で貴重な作例といえる。

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