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木造兜跋毘沙門天立像

分類国指定
種別彫刻
所在地岡崎市鹿勝川町
所有者庚申講
指定年月日H14.6.26
時代平安
詳細解説像高172.3cmと158.6cm。桧材、一木造(いちぼくづくり)、彫眼(ちょうがん)、彩色。
両像とも兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)とよばれる立像で、庚申(こうしん)堂内に安置されている。毘沙門天は四天王のうち、北方の守護神である多聞天の別称で、通常四天王が揃って(そろって)いるときは多聞天、単独のときは毘沙門天と呼ばれる。兜跋毘沙門天は、毘沙門天の異形で、 西域の兜跋国に現れたと伝えられ、王城守護の役割を持つ。平安時代には、外敵から国を守るという意味で、九州や東北地方でもさかんに制作された。
2躯とも足下の地天女(ちてんにょ)までの主要部は桧材の一木造で、頭に宝冠を載せ、裾(すそ)の長い、体に密着した鎧(よろい)を身につけている。2躯のうち1躯は腹部に大ぶりの獅噛(しがみ)をつけ、腹巻状の帯をつける点で他の1躯と区別される。両像とも本来両手に持つべき宝塔や戟(げき)は失われている。
両像がどのような経緯で伝えられたかは不明である。しかし、平安時代前期の作例として全国的にも貴重であり、美術史的な価値はきわめて高い。

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