尾張大国霊神社楼門 附 棟札

分類国指定
種別建造物
所在地稲沢市国府宮
所有者尾張大国霊神社
指定年月日S30.6.22
時代江戸前期 室町後期(1階) 正保3(2階)(1646)
詳細解説当社は、国府宮あるいは尾張総社ともいわれ、社伝によれば崇神天皇7年の創建と伝え、延喜式(えんぎしき)神名帳にのる古社である。社殿は、当地方に広く分布する尾張造で構成され、南から楼門、蕃塀(不浄門)、拝殿、祭文殿、釣殿、本殿をほぼ一列に並べ、祭文殿の左右に廻廊を延ばし、廻廊から延びる透塀(すきべい)で本殿を囲んで神域を形成する。楼門の建立年代は、建築様式から判断すると腰組以下は室町時代後期の建立と考えられ、上層は昭和33年(1958)の解体修理の際に、中備巻斗(まきと)上端および東南隅木尻に正保3年(1646)3月吉日の墨書銘が発見され、上層柱盤以上はすべて新造されたことが知られる。また、下層でも蟇股(かえるまた)・彫刻・扉構などが改変されている。
この門は、和様の三間一戸楼門で、屋根は入母屋造、檜皮葺(旧こけら葺)で南面する。規模は間口7.79m、奥行4.452mである。楼門は2階建の門であるが、下層に屋根がなく、組物は縁を支持する腰組となる。腰組組物は和様三手先で、中備に間斗束(けんとづか)、蟇股(中央間)を用いる。戸口は両開き板扉をいれる。上層では、正背面の中央間には両開き板扉、両脇に連子窓を開け。組物は和様三手先・尾垂木(おだるき)付を用いる。妻飾りは虹梁大瓶束で、かぶら懸魚をつる。軒は二軒繁垂木。この門は伝統的な和様で造られているが、下層に比べて、上層が大きく軒の出が深い印象である。(沢田多喜二)

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