© 2022 Meguro city.
07-06-03. 昔ばなしの広場 雀のお宿
資料ID | 258 |
---|---|
名前(読み) | ムカシバナシノヒロバ スズメノ オヤド |
名前(英語) | Sparrow Inn, a square for the folklore |
テーマ | みどりの散歩道コース |
コース | 07.碑文谷・立会川コース |
コンテンツ | 06.すずめのお宿緑地公園 |
資料紹介 | 雀たち親子は珍しくえさ場から早くかえって、古民家の見える竹の枝をゆらしながら話しあっていました。 「今日は何かあるんだね。いつもよりお手伝いのおばさんが多いね」 「こども会があるんだよ」 「ああ、お餅つきやお月見の時のように小学生がくるんだね」 「へえ、たのしそうだね」 「そういえばさっき筍掘ってたね」 「筍御飯をつくるんだよ」 「昔はどこの家にも竹林があったの」 「そうだね。大きいお百姓さんの家のまわりや少し高台の方にあってね。どの竹林にも雀がいたね」 「じゃ、ずいぶん筍が出たんだね。毎日筍ごはん食べてもたべきれないね」 「そうだね。私のおばあさん雀からきいた話をしてあげようか」 「うん。して、して」 「夜があけると子どもたちが、赤い布をつけた細い竹の棒を地面に目印にさしておくの。そこから筍が頭を出すから、そのあとじいちゃん、父ちゃん男衆が皆出て、へらや鍬でまわりから掘りこむんだね。白い肌にピンクの根のついた太った筍が一番おいしいんだって」 「どのくらい掘れるの。掘ったのどうするの。売るんだろ」 「掘った筍は土をはらって六角というかごに入れてぬれ蓆(ムシロ)をかけておいたね」 「なぜ?」 「空気にあたらないようにさ。みずみずしい筍は高く売れるんだよ」 「それから」 「仲買のおじさんが馬力をひいてくるんだよ。そして「六角」を十個ぐらいつんで、神田や渋谷の方の市場に持っていくんだよ。仲買さんがたまたま日曜にくると東京の珍しい話をしてくれてね。今でいう情報はこび屋だね。ほとんど目黒から出ない子どもたちは、とても楽しみにしていたね。そうそう、イギリスの王様が見えて、とてもきれいな花電車というのが走ったとか……」 「馬も豆や麦や人蔘をもらってね。雀たちもおこぼれをいただいたね。昔は竹林の近くの田の落穂でも畑の虫でも草の実でも食べものに不自由はしなかったね」 「今のように遠くの草原まで行かなくてもいいんだね」 「おいしそうな匂いがしてきたよ。筍飯ができたんだね。古民家はにぎやかだよ」 「さあ、もう一飛び散歩してこよう。何かごちそうがあるかもしれないよ」 パタパタ……親子は西の空めがけて飛びたちました。 |
データ利用条件 | 教育目的での使用については、権利所有者の許可は必要ありません。 |
コース紹介 | https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=238 |
コンテンツ紹介 | https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=255 |