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03-01-02. 昔ばなしの広場「米つき水車」

資料ID125
名前(読み)ムカシバナシ ノ ヒロバ「コメツキ スイシャ」
名前(英語)Rice-pounding waterwheel, a square for the folklore
テーマみどりの散歩道コース
コース03.西郷山・目黒川コース
コンテンツ01.目黒川の今昔
資料紹介朝倉家の水車は大きな杵(キネ)をもった米つき水車でした。三田用水の水を目黒川へおとします。その間で上かけ水車が二段にも三段にもなって廻(マワ)ります。
「あっ、いたいー」
三番水車がメリッという音をたてました。一番水車も二番水車も、三番水車の水で廻(マワ)っている四番水車も一瞬ギクッとして速度をゆるめました。
「どうしたの?」
「うでが一本おかしいんだよ」
「三番杵は一番重いものね」
「止まっておしまいよ」
「そうはいかないよ。水は次から次へと来るもんな」
「とめてーって叫ぼうか」
「水の音で消されちゃうよ」
「あっ、いたい」
「大丈夫かい?」
「五兵衛じいさんがくるまでがんばれよな」
「うん。まだがんばれるよ」
「五兵衛じいさんはきっとみつけてくれるよ」
「水車博士だもんな」
そんな話をしながら三番水車はひびのはいった腕(ウデ)を大事にしながらがんばって廻っていました。
お昼がすんでから五兵衛じいさんが点検にやって来ました。
「一番水車、元気かい?」 
一番水車は水を勢いよくうけて廻りました。
「よし、よし、二番水車元気かい?」
「わたしは元気、三番水車みてやって」
「おや、三番水車、音がへんだね」
五兵衛じいさんは水の流れをずらして、水車の診察(シンサツ)をはじめました。
「うん、こりゃ痛かったろう」
五兵衛じいさんは道具箱と板をもってきました。板をけずって大きなくさびをつくり、ひびのはいった腕(ウデ)木をとりかえ、大きなくさびを入れてくれました。汗をふきふき五兵衛じいさんが、 「これで大丈夫だ。まだ五年は働けるな」と言ってくれた時は月が窓(マド)から笑っていました。水の流れを戻して水車は再び廻りはじめました。
「試運転(シウンテン)おわり!」
次の日三番水車はいつもより元気に廻っていました。みんな水車たちは 「よかったね」とよろこびました。
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コース紹介https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=122
コンテンツ紹介https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=123

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