『道遙か』ビザンチン時代の洞窟修道院  バハティン教会 ベルシラマ村 カッパドキア トルコ

登録番号030473
材料・技法素描
制作年1991
サイズ31.5×24.0cm
作品解説「カッパドキアの朝は、ロバのいななきや、羊や牛のけたたましい鳴き声で明ける。騒々しさにたまらず起き出すと、村の男たちはもう悠然とお茶を飲んでいる。騒がしさと静寂の入り交じったなんともいえない雰囲気だ。トルコのアナトリア高原のほぼ中央に位置するここを訪れたのは、昭和四十一年芸大の調査団としてビサンチン時代の壁画の調査が目的であった。切り立った断崖の中腹にうがれた、おびただしい数の洞窟寺院が残され、そのエネルギーには目をみはらされた。根気のいる模写の仕事が一段落すると、無性に風景が描きたくなった。一見広漠とした砂漠は描き始めると実に奥が深いということを肌で知った。砂漠は光の変化で、時々刻々その表情を変える。何もないあの土地に四ヶ月もとどまれたのは、砂の魅力にとらわれたのかもしれない。」

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