『道遙か』廃墟と化した広島
登録番号 | 030455 |
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材料・技法 | 素描 |
制作年 | 1991 |
サイズ | 31.5×24.0cm |
作品解説 | 「爆心から三キロ。一発の閃光に人々は右往左往していた。しかし、兵器廠の内部はまだましだったのだ。一歩外に出て見ると、そこは地獄さながらの世界だった。町の中心部の方ではさかんに火の手が上がり、時々、爆発音も聞こえてくる。そちらの様子が気になったので、行こうとしたが、避難してくる被災者の群れと火にさえぎられ、なかなかに前にすすめない。全身にやけどを負い、皮膚がめくれて雑巾のようにたれさがっている人がいた。体中にガラスの破片が食い込んでいる人がいた。黄金山という小高い山に向かった。そこなら市内を見渡せるはずだ。斜面には大勢の避難民がいた。どこからか「水をくれー」とうめき声が聞こえる。昭和二十八年八月六日、原爆投下直後の広島の惨状、十五歳の中学生には強烈過ぎた。」 |