文明の十字路を往く アナトリア高原 カッパドキア トルコ

登録番号010070
材料・技法本画
制作年2009
サイズ171.0×364.0cm
作品解説 標高 1,000メートルを超えるアナトリア高原の中心部に広がるカッパドキア。柔らかい地層と硬い地層が重なりあい、侵食されて生みだされた奇岩が延々と広がる一大奇観の地である。3世紀にローマ帝国の弾圧を逃れてキリスト教の修道士たちは柔らかい岩をくり抜いて隠れ住んだ。以来、十数世紀もの間、ペルシアやイスラーム勢力の脅威に絶えずさらされていたキリスト教徒は次々と地下都市や僧院をつくっていった。
 文明の十字路であるカッパドキアの巨岩を背景にラクダのキャラバンが通りすぎる。ラクダの歩みはこの地を行き交った民族や文化の象徴であろう。
 平山郁夫は亡くなる直前に本作を完成させ、第94回院展に出品した。遺跡とキャラバンを描いた最後の作品となった。

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