朧月夜 ブルーモスク イスタンブール

登録番号010056
材料・技法本画
制作年2007
サイズ80.3×116.7 cm
作品解説 イスタンブールは黒海とマルマラ海を結ぶボスポラス海峡に臨んでおり、時に海から生じた霧が街を包む。そんな夜の雰囲気に魅せられ、朧月夜の群青の中にブルーモスク(描かれている建物はイエニジャミー)の大円屋根、そびえ立つミナレット(尖塔)を幻想的に描いた。
 この町は、ヨーロッパとアジアの接点にして、まさしく東西文明の交流点ともいうべき都市である。
 前2000年ヒッタイト文明が登場し、ギリシアの植民地支配の時代を経て東ローマ帝国時代にはビザンチン文化の中心となり、15世紀以降はイスラーム文化が根づくことになる。じつに多様な文明文化がこの地を舞台に花開き、移りかわっていった。

群青色の中に幻想的に描かれたブルーモスクは、トルコのイスタンブールを代表する建築である。平山郁夫はブルーモスクについて以下のように語る。「アジア大陸とヨーロッパ大陸の接点にある、イスタンブールはまさに、シルクロードの十字路である。東ローマ帝国のキリスト教寺院を、オスマン帝国が征服し、イスラム寺院に改造した寺もあり、歴史を感じさせる。月光に映えるブルーモスクは、シルクロードの夢を伝える。」このようなブルーモスクについて、平山は格別な思いもあり、何度も取材に訪れ、本作と同様の作品を幾つか描き残している。

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