肘かけ椅子の女
| 制作年 | 1923 |
|---|---|
| 制作者 | パブロ・ピカソ Pablo PICASSO |
| C.no | 0497 |
| 購入・寄贈年月 | 1981/1/1 |
| 材質・技法 | キャンヴァス・油絵具 |
| 寸法1:height | 81 |
| 寸法1:width | 65 |
| Work Title | Femme dans un fauteuil |
| 作品解説 | 創造と破壊を繰り返したといわれるピカソは、1910年代後半から20年代にかけて、古典絵画を思わせる人物像を描きました。ピカソの新古典主義時代てです。一見すると抽象絵画のように見えるキュビスムからの急展開は、ピカソの私生活の変化が大きく影響したといわれています。当時のヨーロッパを席巻したロシアバレー団(バレエ・リュス)のダンサー、オルガとの結婚、長男ポールの誕生。安寧の家族生活がピカソに平穏な精神状態をもたらしたのでしょう。モデルの外形を表す的確で簡潔な輪郭線、灰色から白のわずかな明暗の差て示されたヴォリューム。ギリシア彫刻を思わせる端正な表情をたたえた女性像の作品です。数少ない線で、女性の豊かな髪を表現しているところも注目です。 (『TAD 富山県美術館 Selected Works from the Collection』p.10) ピカソは実験的な作品がよく知られていますが、1915年頃からの約10年間は写実的な作品を描きました。このころは、ピカソの「新古典主義の時代」と呼ばれます。椅子に座る女性の姿は、グレーの色調で描かれており、体や衣服の立体感が明瞭に表されています。ピカソは、親しい関係にあった女性の座像を数多く描いていますが、本作のモデルについては特定されていません。(遠藤) |
