山羊を抱く男

制作年c.1924–1925
制作者マルク・シャガール Marc CHAGALL
C.no0046
購入・寄贈年月1980/3/1
材質・技法キャンヴァス・油絵具
寸法1:height72
寸法1:width57.1
Work TitleL'homme à la chévre
作品解説帽子をかぶり豊かなひげをたくわえた男性が、ヤギを抱きかかえながらこちらを見つめています。背後に目を移すと、昔ながらの家の戸口に女性がたたずみ、さらに後方には十字架のあるドーム屋根の教会が見えます。シャガールが生涯を通して描き続けたのが、故郷てある帝政ロシア領のヴィテブスク(現在のベラルーシ、ヴィーツェプスク)という小さな村でした。フランスのパリに移った後に制作されたこの作品でも、自らの思い出の中に残る故郷の風景や動物たち、そこて暮らす素朴な人々が描かれています。この作品は、サインの痕跡が残されていることから、一度完成した後に再び筆が加えられたものと考えられます。構図が変更された部分として、1.ヤギの口もとが短く描き直された、2.その口もとの左下に牛の角状の三角形の跡があることから、他の動物からヤギヘと変更された可能性がある、3.人物の左腕がヤギに重なり抱きかかえるように修正された、の3点が挙げられます。幾度も手が加えられた色彩豊かて重厚な画面の中に、シャガールの望郷の想いが垣間見えます。
(『TAD 富山県美術館 Selected Works from the Collection』p.14)

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