人間誕生 No.5

制作年1963
制作者前田常作 Josaku MAEDA
C.no0304
購入・寄贈年月1979/2/1
材質・技法キャンヴァス・油絵具
寸法1:height130
寸法1:width194
Work TitleGenesis No.5
作品解説第2次世界大戦終戦の年、富山市街を一夜にして廃墟と化した富山大空製にあたり、前田は学徒兵として市民誘導の任に就いていました。密集した人間像が不気味にうごめく初期の前田作品は、この夜に見た地獄絵図が原風景だったといいます。異郷パリて「あなたの絵はマンダラだ」と評されたとき、はじめ前田は驚き、反発すら感じたそうです。しかし「生命の最も古い過去の記憶と、最高度の直感のカて作られた宇宙像」てあるマンダラは「普遍的無意識」に通じるとする、心理学者ユングのマンダラ論にふれたことは、前田の中でじょじょに啓示へと変わっていきました。「人間誕生」シリーズは前田の長女の誕生をきっかけとして制作されています。記号化された形象は、東洋的な「間」を感じさせる空間の中で、生命誕生の厳かな秘儀を描き出しています。人の心の闇を深く見つめ、前田は生命の光を見いだし始めたのでした。
(『TAD 富山県美術館 Selected Works from the Collection』p.71)

PageTop