二人の裸婦

制作年1929
制作者藤田嗣治 Tsuguharu FOUJITA Léonard FOUJITA
C.no2104
購入・寄贈年月2017/6/27
材質・技法キャンヴァス・油絵の具、墨
寸法1:height178
寸法1:width94.2
Work TitleTwo nudes
作品解説藤田は、1913年、26オてパリに渡って以来、生涯の大半をフランスで過ごしました。1920年代に、絵具、画布、塗り方の試行を重ねて独自にあみだした白の画面のうえに、面相筆による流麗な輪郭線の裸婦像を精力的に発表していきます。この「乳白色の下地」と称えられた唯一無二の画風で、この時代、藤田はパリの画壇の寵児となります。画家として大きく花開くなか、藤田はパリ郊外のパリ国際大学都市にある日本館(メゾン・デュ・ジャポン)のための壁画《欧人日本へ到来の図》(1929年、300X600cm)を制作しており、その中央に描かれた二人の裸婦像と同じ構図で描かれたのが、この《二人の裸婦》です。東洋の美術を想起させるテクニックと、西洋の美術の伝統的モチーフである裸体とを融合させた気品ただよう一点であるとともに、藤田の筆が冴える1920年代最後を飾る作品でもあります。滑らかなうす塗りの白い画面は、その奥から静かに光を放つようです。下地の美しさは、淀みない線で描かれる人物の透けるような、そしてほのかに血の通う肌の美しさでもあります。
(『TAD 富山県美術館 Selected Works from the Collection』p.20)

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